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時間の科学

Book Report


幸福になりたければ金より時間を大事にしよう

幸福になりたければ金より時間に価値を置こう!」という論文(1)を紹介

結論としては次のとおりです。

  • 金より時間を重視する人ほど幸福感は高い
  • 性別の違いは、金と時間の価値観に影響をあたえない
  • 金と時間に対する価値観はほぼ変動しない
  • 年を取るほど金より時間を重視するようになる

金より時間に価値を置く人は「人生の短さ」について無意識に考えており、結果として前向きな気持ちになりやすいらしい。

現代人を圧倒的に悩ませる「時間貧困」が急増している?

「時間貧困」とは?

2020年にハーバードビジネススクールが発表したレビュー研究(#1)では、「時間貧困(Time Poverty)」という概念についてまとめてくれていました。

時間貧困とは、「やらなきゃいけないことが多すぎて時間が足りない…」と感じることです。

以下のような項目に支障が出るかもしれないようです。

  • 幸福度・人生満足度
  • メンタルヘルス
  • 仕事のコントロール感・パフォーマンス
  • 家庭内の関係
  • 疲労感・ストレス

「時間貧困」を引き起こす原因とは?

  • 不要なアイドルタイムが多すぎ: 作業が出来ない、もしくは作業をしていない時間のことで、ミーティングへの出席や課題、その他の役割のせいで自分の生産性を発揮する時間がとられてしまっている
  • ワーカーのまとまった時間を奪いすぎ: 居る意味のないミーティングや社会的な義務などによってワーカーたちの時間を小刻みに奪っている。これによって、まとまった時間が確保できず、マルチタスク状態に陥ってしまい、仕事にも焦りが生まれてしまう
  • 通勤時間がかかりすぎ: 通勤時間が長くなりがちなことも時間貧困の一つの要因。
  • 時間の重要性を甘く見ている: 人はお金よりも時間ならたっぷりある、という風に時間の有限性を甘く見積もる傾向があるようだ
  • 時間はお金よりも小さな損失に気づきにくい: 「〇〇ヵ月」というように莫大な時間であれば、人はその失われた時間に意識が向きやすいが、隙間時間とかだと失っていることに気づきにくいようだ

ちなみに、米国でアイドルタイムによって失われた年間の総額は何と1000億ドルにものぼるというデータ(#3)もあります。

まとめ

  • 時間貧困とは、「やらなきゃいけないことが多すぎて時間が足りない…」と感じること
  • 時間貧困は強く感じるほど幸福度や人生満足度が低下し、メンタルヘルスや家庭環境など様々な生活面に支障をきたすかもしれない

人生の幸福に大事なのは、金よりも時間に対する価値観

金よりも時間を大事にする人のほうが幸せ

「金よりも時間を大事にする人のほうが幸せ」というカリフォルニア大学の論文(1)について紹介。

結論としては次の通りです。

  • 64%の人は「時間より金が大事!」と答えた
  • しかし、実際は、金より時間を大事にする人のほうが幸福だった
  • どんなに金を持っていても、時間を大事にする人のほうが幸福だった
  • 金も時間もない人の場合でも、時間を大事にする人のほうが幸福だった

時間を大事にすると思考が前向きになる

  • お金の額には上限がない →いつまでも満たされない → 不幸!
  • 時間はすべての人に平等な量しかない → 限られた時間をどう使うかを考え出す → 考えが前向きになる → 幸福!

時間について考えると、人は正直になれる

金のことを考えると不道徳な人間になるが、時間のことを考えると正直な人間になるよ!」という研究(Time, Money, and Morality)の紹介。

ハーバードビジネススクールの実験で、事前に札束のイメージや宝くじで大当たりしたイメージ思い浮かべた被験者のうち87%が、その後で行われたゲームでズルをする確率が高まりました。一方で、時計のイメージや時間について考えた被験者は逆にズルをしなくなった。時間について考えることで無意識に「人生は短い!」と反省する気持ちが生まれ、自然と正しい行動を取るようになる。

週に20時間の「自由時間」を確保する方法

みんな、本当は毎週ごとに20時間の自由時間を余らせている

メリーランド大学のジョン・ロビンソンさんが実施した「全米時間配分調査」(1) について紹介。

結論としては、「実はみんな思うほど忙しくない!」という結果でした。

  • 多くの人は、週に60〜64時間ほど働いている、と思っている
  • が、実際の労働時間は平均で週44.2時間ぐらい
  • 週に65〜74時間は働いてると思ってる人の、実際の労働時間は週に52.8時間
  • 週に75時間以上は働いてる(ワーカホリック)と思ってる人の、実際の労働時間は週に54.9時間

実際の労働時間より20時間も短い傾向があるようです。しかし実際は、自分が思うより忙しくないのだそう。

「時間汚染」に注意!

こういった現象が起きる理由は「時間汚染」にあります。
時間汚染とは、「何かをするときに、同時に別のことをやったり、別のことに意識が向いたりして、目の前のことに集中していない心理状態です」のこと一度にひとつのことを片付けていくのが大事です。余談ですが、マルチタスクの弊害について紹介しておきます。

シングルタスクで一つずつ処理していく人に比べ、
マルチタスクで仕事する人は、作業効率が50%低かったという結果が出ています。

「時間汚染」から身を守る方法

  • 「ただ目の前のことをやる」マインドフルな態度を身につけていく方法。
  • そんなに忙しくない」と自分に言い聞かせる方法。「ながら行為」をしていると、つねに脳が次にする行動を考えてしまうと焦ってしまうので、まず「本当は時間がある」という事実を伝えることが大事だそうです。

金より時間を大事にするだけで年間100万円も得をする?

お金よりも時間を大切にすると、いくら稼いだ場合と同じ幸せが得られるのか?」というテーマについて紹介します。

結論としては次の通りです。

  • 「お金よりも時間が大切だ!」と心から思う人の幸福度は、毎年4,400ドル以上を追加で稼ぐことに相当する
  • 嫌いな作業を外部の人にまかせたときに得られる幸福度は、毎年10,000ドル以上を追加で稼ぐことに相当する
  • お金よりも時間を大切にする人ほど、新しい人間関係を構築するのがうまい
  • 時間を大切にする人は休憩もうまいので、より生産的で創造的なケースも多い

金より時間を大切にすることで、幸福になれそう。

普段の行動では以下のような点を意識すると良いです。

  • プロアクティブ・タイムを作る。「重要だが緊急ではない」タスクをスケジューリングする。
  • 小さな決断を行うたびに「大事なのは時間と金のどちらだ?」と自問してみる。
  • 「自分の仕事をまかせることで、その人の利益になるのだ!」と思考をリフレーミングしてみる。

「欠乏の罠」の心理

センディル・ ムッライナタンの「何かが不足すると人間は処理能力が落ちる」について紹介。

ダイエットによるカロリーの欠乏

たとえば、ダイエット中は認知テストの成績が落ちるってデータがあり、これをカロリーの欠乏による代償と考えております。

ダイエットはこころに負荷をかける。ダイエット中の人は何をしているときも、心のどこかが食べ物に占拠されているので、心的資源が減っていると感じるはずだ。ダイエット中の人たちの心のいちばん上にはダイエットに関係する関心事があって、知力を邪魔している

孤独による欠乏

友人がいない被験者の脳を調べると、行動をコントロールする領域の活動が弱くなっていました。自分が孤独になると思い込んだ被験者は、チョコチップクッキーの味見をする機会を与えられると、二倍近くたくさん食べている。これと同様に、年配のダイエット中の人たちに関する研究は、日常生活で孤独を感じる人たちは、脂っこい食べ物の摂取量がかなり多いことを明らかにしている。友人への欠乏感でも脳の処理能力は落ちて、セルフコントロールの能力が下がってしまう。

これはコミュニケーション能力の問題にも関する話で、友だちがいない人ほど孤独感に集中してしまうため、脳の処理能力が下がって逆に会話がうまくいかなくなってしまうことが多いそうです。

ただし、「欠乏の心理」には悪いとこだけでなく、良い面もあります。

  • 集中力がアップする
  • 対象を大事に思うようになる

締め切りが近づくと仕事がはかどったり、金がないとコストに敏感になったりするのは、誰にでも経験があるところかと思います。おもしろい事例では、孤独感の強い人は、他人の感情の変化を見抜く能力が高まったりもするそう。