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ブレインストーミングの科学

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ブレインストーミングは、1950年代にAlex Faickney Osborn氏によって考案されました。従来より50%以上も創造性が高まる会議法として、世界中で使われている会議法です。

ブレインストーミングとは、次の通りです。

  • みんなでできるだけ大量のアイデアを出す
  • 他人のアイデアへの批判や判断は絶対にしない
  • ユニークで斬新なアイデアほどみんなで褒める
  • すべてのアイデアを結びつけてブラッシュアップする

実はこの効果、後の研究で否定されています。

ブレインストーミングで生産性が下がる

心理学者 Eduardo Salas がおこなった、約800チームを調べたメタ分析で、ブレインストーミングは効果がないどころか、1人で考えてるほうが効果的ということがわかりました

メタ分析(1)によると、ブレインストーミングは、量と質の両方の点で生産性が大幅に低下するそうです。

  • 他人と考えるより個人で考えたほうがオリジナリティが高いアイデアが出る!
  • チームが大きくなるほどブレインストーミングの生産性は下がる!

37%もアイデアがでやすくなる「ブレインライティング」

ブレインライティングの有効性について」というテキサス大のポール・パウルス博士が出した論文(3)を紹介です。

ブレインライティングとは、回覧板の様にアイデア発想シートを回していき、前の人のアイデアを借りてアイデアを広げていく手法です。

ブレインライティングのやり方は次の通りです。

  • 解決したい問題や疑問を決める
  • その問題に対するアイデアを、各自が10~15分かけて紙に書く。思いつく限り何を書いてもOK
  • 隣の人から渡された紙に書かれたアイデアを見て、また10~15分かけて自分の意見を書き足す。これを、会議の人数分繰り返す。
  • 最後にすべての紙を集めて全員で検討する。その紙に書かれたアイデアが誰のものなのかは明かさない

意見を述べ合うプロセスを、すべて紙に書き出す作業に変えています。
この方法を使うと、ひとりで紙にアイデアを書き出すより37%も良い考えが浮かぶ可能性が高まるそうです。

アイデアを強制的に広げることで量を確保できる他、全体の場で発言することが苦手な人でも気軽に参加できるといったメリットがあります。

ブレインストーミングよりブレインライティングが優れている理由としては、向かい合って意見を述べ合うブレインストーミングでは、一度の発言で1人の人間しかアイデアを発表できないため、情報や知識をわけあうチャンスが限られてしまうからだそうです。

74%もアイデアがでやすくなる「高速ブレインライティング」

高速ブレインライティング」という書き出しとレビューを素早く行う手法を使うと、普通のブレインライティングより74%もアイデアが出やすくなります

高速ブレインライティングのやり方は次の通りです。

  • 解決したい問題や疑問を決める
  • 8分かけてアイデアを紙に書き出し、隣の人に手渡す
  • 3分で隣の人からもらった紙をレビュー
  • 会議に参加した人数分くり返す

200%もアイデアがでやすくなる「エレクトリック・ブレインストーミング 」

クイーンズ大学によるエレクトリック・ブレインストーミング。

エレクトリック・ブレインストーミングとは、すでに数百を超える研究で効果が実証されていて、アメリカのアリゾナ大学などが積極的にすすめているテクニックです。

アイデアの質と量のどちらも大きく向上することがわかっており、従来のブレインストーミングと比べて2倍のアイデアを引き出すことが可能です。

エレクトリックブレインストーミングのやり方は次の通りです。

  • 会議の参加者は、他の参加者と顔を合わせず、自分のアイデアをコンピューターに入力していく
  • 他の参加者が書き込んだアイデアをリアルタイムで確認しながら、そこへさらに新たなアイデアを入力していく

エレクトリックブレインストーミングのメリットは大きく分けて3つあります。

1. 集まらなくていい
会議のために集まる無駄がないということ。オンラインサロンなどでも簡単にできる。

2.意見を出しやすい
こんなこと言ったらどう思われるだろう、こんなアイデア出したら恥ずかしいというような、まわりの参加者からの評価に対する不安が軽くなります。また、顔を合わせていたら、パワーのある人、権力のある人の意見と反対の意見を出しずらくなる傾向にありますが、そういった方たちと顔を合わせない分、意見を出しやすくなります。

3.プロダクションブロッキングの防止
プロダクションブロッキングとは、せっかくいいアイデアが思いついたのに、人の話聞いてるうちに忘れてしまう現象のことです。1人で画面に向かって文字を打つので、何か閃いたら、すぐにメモったり意見をそのまま出すことができます。

エレクトリックブレインストーミングに最適なツール

エレクトリックブレインストーミングを行う上での条件は次の通りです。

  • 匿名で入力できる
  • 他の人の投稿したアイデアをリアルタイムで閲覧可
  • 無料ツール

上記の条件を満たしたツールを紹介します。

参考文献

#1 Productivity Loss in Brainstorming Groups: A Meta-Analytic Integration

#2 Creativity and negotiation research: the integrative potential
ノースウエスタン大学

#3 Asynchronous Brainstorming in an Industrial Setting: Exploratory Studies