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夢を叶えるために効果的な方法「WOOPの法則」

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「WOOPの法則」とは?

「WOOPの法則」とは、目標達成を円滑にするプロセスについて提唱した法則です。アメリカの心理学者ガブリエル・エッティンゲン博士による20年以上にわたる研究の末に体系化されました。WOOPとは、「願望(Wish)」「結果(Outcome)」「障害(Obstacle)」「計画(Plan)」という四つのステップの頭文字をとったもので、このステップに沿って行動していくことで目標の達成率を高めることができます。

これまで、目標を実現させるための方法論として、さまざまな理論が提唱されてきました。中には「ポジティブシンキング」や「引き寄せの法則」など、前向きに過ごすことが目標達成につながるという方法論もありますが、やる気やモチベーションはなかなか長続きしません。WOOPの法則はその代替案として生まれた考え方で、起こりうる“ネガティブ要因”を先に分析する点が特徴です。

四つのステップをもう少し具体的に見ていきましょう。

まず、「Wish(願望)」では、自分がなしとげたい目標を書き出します。このときに気を付けたいのは、少しストレッチなゴールを設定すること。簡単すぎる目標では成長につながりませんが、反対に目標が難しすぎても行動に移すことができず、ただのスローガンで終わってしまいます。

次のステップは「Outcome(結果)」です。立てた目標を達成した際に、どのような結果が訪れるかを書きだします。例えば、「5kg痩せる」という願望に対しては「似合う洋服が増える」「自信を持って恋愛ができる」「健康になる」などが当てはまるでしょう。目標を立てて、それが叶った瞬間を想像して気持ちよくなる。ここまでで一応モチベーションは一時的に上がりますが、ここで終わってしまうと、先ほども紹介したように「いきすぎたポジティブ思考は目標達成の邪魔になる」っていう報告もあったりして、なかなか目標達成まで辿り着けません。なので次は、いったん現実的になって、目標達成の障害になるものを考えてみます。

三つ目のステップ「Obstacle(障害)」は、WOOPの法則の大きな特徴です。ここで求められるのが、目標達成を困難にしている原因について考えてみること。先ほどのダイエットの例にあてはめると、「平日は仕事で疲れてしまい、ジムに通えない」「ダイエット中だと分かっていても、いざ食べ始めると満腹になるまで満足できない」などが想定されます。このとき、そもそも太っていることの何が問題なのかを合わせて考えるとよいでしょう。自信の内側と向き合い、太っていることの本質的な問題点を見出せないならば、もしかしたら最初のステップで決めた「Wish」から考え直した方がいいかもしれません。ポイントは、自分でどうにかコントロールできる障害を挙げてみることです。

そして最後は、「Plan(計画)」です。障害にぶつかったとき、どうすればそれを克服・回避できるかの計画を立てます。重要なのは、自分にできる行動や考えに基づいて行動プランを考えることです。ここで活躍するのが「If-Thenプランニング」という科学的に有効とされている目標達成方法です。もしAという障害に遭遇したら、Bという行動を取る!と予め決めておくんですね。

メンタルコントラスティングを応用した「WOOP」で確実に目標を達成する

2017年のニューヨーク大学のガブリエルエッティンゲン博士らの研究(#1)によると、目標達成には「WOOP」という手順を使えばかなり効果があるようです。

WOOPの効果を検証した研究(#1)では、次のような実験をしました。

  • 36人の男女が対象
  • 勉学の目標に向けて、一か月それぞれ勉強に励んでもらう
  • 参加者をランダムに2つのグループに分類
  1. WOOPで目標達成グループ
  2. フツーに目標を立てるグループ

勉強の目標に対するアプローチの仕方で、どのくらい勤勉さ(勉強時間)に差が出るのかを調べたのですね。結果は次のようになりました。結果

  • WOOPグループ、平均勉強時間4.3時間
  • フツーのグループ、平均勉強時間1.5時間
  • 実験直後の週にも勉強を継続してる率はWOOPグループが3倍以上高かった

なんとWOOPを使ったグループは平均3時間ほど多く勉強してしました。参加者数が少ないとはいえかなり優位な差です。この他にもエッティンゲン博士らが発表した幾つかの研究で、WOOPが有効であるという結論が出ています。

まとめ

WOOPの法則は心理学的な研究と実証の積み重ねから作られているため、目標達成を促す、再現性の高い方法です。精神論だけの目標達成術ではなく、できないかもしれない可能性とその回避方法を考えることで、確実に目標に近づくことができるでしょう。

参考文献&引用

#1 Daniel Saddawi-Konefka,Keith Baker,Anthony Guarino,Sara M. Burns,Gabriele Oettingen,Peter M. Gollwitzer,Jonathan E. Charnin,”Changing Resident Physician Studying Behaviors:A Randomized, Comparative Effectiveness Trial of Goal Setting Versus Use of WOOP“,Journal of Graduate Medical Education,Vol.9,No.4,2017.